← 戻る 韓国語では、下の名前を呼び捨てにできるのは同い年の親しい友人か年下だけです。それ以外の相手には必ず呼称を使います。親しい年上には오빠・언니などの親族語、親しくない大人には씨、顧客や目上には님。正しい呼称の選択は韓国語話者が最初に期待する社会的スキルであり、韓国人が初対面で年齢を聞くのも「どう呼ぶか」を決めるためです。
呼称は「あなた」の代わりでもあります。당신という語はありますが、実際は夫婦間か口論でしか使いません。代名詞の代わりに呼称を繰り返すのが韓国語で、선생님은 커피 좋아하세요?は直訳「先生はコーヒーがお好きですか?」=「(あなたは)コーヒーが好きですか?」です。このレッスンでは中心的な呼称、3つの接尾辞(씨・님・아/야)、迷ったときの安全な言い方を学びます。
文法 (3) 単語 (10) 練習 (4/12)
名前 + 씨(丁寧な呼び方) 親しくない大人には下の名前かフルネームに씨を付ける。苗字だけ+씨(김 씨)は丁寧ではなく失礼な響きになるので絶対に避けること。
김수아 씨, 잠깐 시간 있으세요? gimsua ssi, jamkkan sigan isseuseyo? キム・スアさん、少しお時間ありますか?
지훈 씨는 어느 팀이에요? jihun ssineun eoneu timieyo? ジフンさんはどのチームですか?
미나 씨도 같이 가요. mina ssido gachi gayo ミナさんも一緒に行きましょう。
呼称が「あなた」の代わり 韓国語の日常会話では당신(あなた)を使わない。「あなた」と言いたいときは、相手の呼称や名前をそのまま主語として繰り返す。
선생님은 커피 좋아하세요? seonsaengnimeun keopi joahaseyo? 先生はコーヒーがお好きですか?(=あなたは)
언니는 언제 도착해요? eonnineun eonje dochakaeyo? オンニはいつ着きますか?(=あなたは)
수아 씨는 어디에 살아요? sua ssineun eodie sarayo? スアさんはどこに住んでいますか?
-아/야(親しい友だちへの呼びかけ) 同い年か年下の親しい友だちを呼ぶとき、子音で終わる名前には아、母音で終わる名前には야を付ける。반말(タメ口)とセットでのみ使う。
지훈아, 여기 앉아. jihuna, yeogi anja ジフン、ここに座って。
미나야, 이것 좀 봐. minaya, igeot jom bwa ミナ、これ見て。
수빈아, 늦겠다! 빨리 와. subina, neutgetda! ppalli wa スビン、遅れるよ!早く来て。
오빠 🔊 oppa お兄さん・年上の男性(女性が使う)
例文 오빠, 이 노래 진짜 좋아요. 🔊 oppa, i norae jinjja joayo オッパ、この歌本当にいいですね。
형 🔊 hyeong お兄さん・年上の男性(男性が使う)
例文 형, 주말에 농구 할래요? 🔊 hyeong, jumare nonggu hallaeyo? ヒョン、週末バスケしませんか?
언니 🔊 eonni お姉さん・年上の女性(女性が使う)
例文 언니, 그 원피스 어디서 샀어요? 🔊 eonni, geu wonpiseu eodiseo sasseoyo? オンニ、そのワンピースどこで買ったんですか?
누나 🔊 nuna お姉さん・年上の女性(男性が使う)
例文 누나가 떡볶이를 사 줬어요. 🔊 nunaga tteokbokkireul sa jwosseoyo ヌナがトッポッキをおごってくれました。
씨 🔊 ssi 丁寧な接尾辞(〜さん。下の名前に付ける)
例文 수아 씨, 내일 회의에 오세요? 🔊 sua ssi, naeil hoeuie oseyo? スアさん、明日の会議に来ますか?
님 🔊 nim 敬意の接尾辞(役職・顧客・ハンドルネーム)
例文 고객님, 주문하신 음료 나왔습니다. 🔊 gogaengnim, jumunhasin eumnyo nawatseumnida お客様、ご注文のお飲み物ができました。
선생님 🔊 seonsaengnim 先生。大人への万能の敬称
例文 선생님, 숙제 질문이 있어요. 🔊 seonsaengnim, sukje jilmuni isseoyo 先生、宿題について質問があります。
선배 🔊 seonbae 先輩(学校・職場)
例文 선배님, 이 서류 좀 봐 주세요. 🔊 seonbaenim, i seoryu jom bwa juseyo 先輩、この書類を見ていただけますか。
이모 🔊 imo 母方のおば。食堂の店員への親しい呼び方
例文 이모, 김밥 두 줄 주세요. 🔊 imo, gimbap du jul juseyo イモ、キンパ2本ください。
저기요 🔊 jeogiyo すみません(見知らぬ人への安全な声かけ)
例文 저기요, 이 지하철 시청에 가요? 🔊 jeogiyo, i jihacheol sicheonge gayo? すみません、この地下鉄は市庁に行きますか?
文化・言語ノート 4つの親族呼称は話し手の性別で決まります。女性は오빠(年上男性)・언니(年上女性)、男性は형(年上男性)・누나(年上女性)。K-POPやドラマでおなじみの通り、오빠には「彼氏の呼び方」という二つ目の顔があり、文脈とトーンで区別されます。
韓国語は親族語を他人にも広げます。이모(本来は母方のおば)は大衆食堂の中年女性店員への親しみを込めた呼び方で、사장님(社長)は店主・店員全般への「持ち上げ呼称」として定着しています。아줌마(おばさん)は相手を不快にさせる可能性があるので、저기요(すみません)や이모님のほうが安全です。
学習者がよく間違えるポイント ミス1:苗字+씨。日本語の「金さん」の感覚で김 씨と言うと、現場監督が作業員を呼びつけるような失礼な響きになります。씨は必ず下の名前(수아 씨)かフルネーム(김수아 씨)に付けます。
ミス2:男性の오빠使用。4つの親族呼称は話し手の性別で固定されており、男性は年上の男性を형と呼びます。
ミス3:日本語の「あなた」の感覚で당신を使うこと。夫婦以外への당신は喧嘩腰に聞こえることがあります。呼称や名前を繰り返すのが韓国語の作法です。